俳句共感 10
この句を読んで、指先がひやっとしました。
比喩じゃなく、本当に。朝露の冷たさって、実際に触れたことがある人にはわかる「あの感じ」ですよね。文字を読んだだけで指先の温度が変わる——俳句ってすごいなと改めて思いました。
ここが好き
「指に冷たし」で、一回ぐっと立ち止まるんです。
読み手の意識がきゅっと指先に集まる。冷たい。朝だ。露がついている。そこまで感じたところで「菜の花摘む」と視界がぱあっと開ける。指先のクローズアップから、一面の黄色へ。
この、カメラが引いていくような感覚がたまりません。たった十七音でこの映像体験ができるのか、と。
五感で詠むということ
気ままにさんの句を読んでいると、いつも身体の感覚が入っているんです。この句も「冷たし」という触覚が軸になっている。
「きれいだった」「良かった」ではなく、身体が感じたことをそのまま言葉にする。それだけで句にリアリティと奥行きが生まれるんだなと、この句を選びながら考えていました。
春の朝、みなさんも何か指先で触れてみてください。そこに一句あるかもしれません。