特集
返歌特集
ユーザー同士の返歌のやりとりをピックアップしてご紹介します。
稲穂垂れ 夕焼けの中に 己の影を見つめている
↓ 返歌それなー 夕焼けの中の影なんて そいつが一番正直なやつなんだよ 稲穂より背が低いことにも気づかずに
影が、いちばん正直なやつ — 稲穂の前に立った二人
第20回の返歌特集です。今回は、昨日の振り返りと地続きのやりとりを取り上げます。 お題「稲穂」から生まれた一篇に、ぴえ子さんが「それなー」と軽く入っていく。ところが、その軽さのまま、とんでもなく鋭いと...
続きを読む →古い手紙 孫が読み上げる声に 秋日射す
↓ 返歌孫の声 途中で止まる 字が読めず
実は、おじいちゃんも読めなかった — 古い手紙をめぐる三句
第19回の返歌特集です。今回は、読み終わって思わず笑ってしまう、あたたかい三句連鎖を取り上げます。 始まりは、気ままにさんの「古い手紙を、孫が読み上げている」という微笑ましい場面。そこにうたまるさんが...
続きを読む →箱の底 子どもの絵まで 秋の月
↓ 返歌箱を開け 懐かしさより 先に埃
積もっていたのは、月日か、埃か — ひとつの箱をめぐる三句
第18回の返歌特集です。今回は、ひとつの元句に、正反対の返歌がふたつ届いた、面白いやりとりを取り上げます。 きっかけは、日常生活さんが詠んだ押し入れの箱。そこに、市井の詩人さんが「懐かしさより先に埃」...
続きを読む →昼間から アイス食ってる 無職です
↓ 返歌昼間から アイス食ってる 君と同じ 今を生きるのに 理由なんかいらない
「無職です」に、「君と同じ」と返す — 昼間のアイスをめぐる二句
第17回の返歌特集です。今回は、自虐が、そのまま肯定に変わってしまった、あざやかな二句を取り上げます。 きっかけは、ぴえ子さんの「昼間から/アイス食ってる/無職です」という、自分を笑い飛ばす一句。そこ...
続きを読む →蛞蝓や 舗道に焼かれ 雨ぞ来る
↓ 返歌ナメクジって そんなに急いで どこ行くの
そんなに急いで、どこ行くの — ナメクジに聞いたら、自分に返ってきた
第16回の返歌特集です。今回の主役は、一匹のナメクジ。 炎天下の舗道で焼かれるナメクジを詠んだ咲さんの俳句に、ぴえ子さんが「そんなに急いでどこ行くの」と話しかけ、気ままにさんが「そうだね君も」とやさし...
続きを読む →夜中の三時 猫が台所で何かを落とし 僕は目を覚まし その音よりも 猫の「ニャア」という謝罪を聞く
↓ 返歌夜中の三時、宇宙が揺らいだのだ 猫が落とした小宇宙が 僕たちの世界を目覚めさせた その「ニャア」は 実は神の声だったんじゃないかと 酔ったまま考えて いや、ただの猫だ
猫は、何も言っていない — 「ニャア」一声、深夜三時の三段跳び
第15回の返歌特集です。今回は、深夜三時の猫の「ニャア」ひと声をめぐって、三人が繰り広げたやりとりを取り上げます。 始まりは、猫が台所で何かを落とした音。その鳴き声を、名無しの詠み人さんは「謝罪」と聞...
続きを読む →洗濯機 ブザー鳴って 朝急かす
↓ 返歌洗濯機のブザーに 急かされる朝も あと数十年の 付き合いと思えば 案外愛おしい
そのブザーが、鳴らなくなる日まで — 三人でつないだ、朝の音
第14回の返歌特集です。今回は、三人が順番につないだ、めずらしい"連鎖"を取り上げます。 きっかけは、毎朝の洗濯機のブザー。日常生活さんが「朝、急かされる」と詠んだ一句に、市井の詩人さんが「それも案外...
続きを読む →窓の外 テイクオフした 僕の服
↓ 返歌大海泳ぎ 泥に塗れて
飛んでいった服の、その後 — 洗濯物が大海を泳ぐまで
第14回の返歌特集です。今回は、思わずにやりとしてしまう、奇想の二句を取り上げます。 元句が「飛んでいってしまった服」を見送り、返歌が「その服のその後」を勝手に想像する——小さな事件を、返歌がひとつの...
続きを読む →「またね」とは 終わりじゃなくて 約束さ
↓ 返歌埋めたあの日の タイムカプセル
「またね」の、ふたつの行き先 — 過去へ、来世へ
第13回の返歌特集です。今回は、ちょっと特別な回。ひとつの元句に、ふたつの返歌が寄せられた、めずらしいやりとりを取り上げます。 きっかけは、「またね」という、たった一言の別れの言葉。通りすがりの凡人さ...
続きを読む →雲低く 初鳴きの蝉 盆参り
↓ 返歌墓前にて 蝉の声聞く 母も聞く
蝉を、聞く人が増える — 盆参りから墓前へ
第12回の返歌特集です。今回は、お盆の蝉をめぐる、俳句と俳句のやりとりを取り上げます。 元句が「初鳴きの蝉を聞きながら、盆参りへ」と墓地へ向かう道を詠み、返歌が「墓前で、母も一緒に蝉の声を聞いている」...
続きを読む →終業式 朝顔抱え 家遥か
↓ 返歌朝顔しおれ 親に叱られ 家はもっと遥か
家は、もっと遥か — しおれた朝顔と、叱られた午後
第11回の返歌特集です。今回は、終業式に持ち帰る、鉢植えの朝顔をめぐる二篇を取り上げます。 元句が「終業式、朝顔を抱えて、家は遥か」と、重い鉢を抱えた子の帰り道を描き、返歌が「朝顔はしおれ、親に叱られ...
続きを読む →君を呼ぶ 慣れない指を 鍵盤に 言葉にならず 和音乱れて
↓ 返歌指が震える 言葉より先に 君の名前だけが 何度も何度も 鍵盤を叩く
鍵盤を叩く名前 — 言葉にならない恋の、その先へ
第10回の返歌特集です。今回は、ピアノに託した恋の二篇を取り上げます。 元句が「言葉にならず、和音が乱れて」と告白の一歩手前で立ちすくみ、返歌が「言葉より先に、君の名前だけが鍵盤を叩く」とその指をさら...
続きを読む →南風 羽あればすぐ 君の窓
↓ 返歌飛び立つ夢も 今は無きまま
羽のない夏 — 「君の窓」へ飛べなかった返歌
第9回の返歌特集です。今回は、夏のはじまりの二句を取り上げます。 元句が「羽があれば、君の窓へ飛んでいくのに」と夢を見て、返歌が「その羽は、もうない」と静かに受ける——高く飛ぶ想像から、地に足のついた...
続きを読む →夜涼し 山里の灯火 ほのかなり
↓ 返歌蛍を頼りに 急ぐ家路よ
灯火から、蛍へ — 山里の夜を照らし直す返歌
第8回の返歌特集です。今回は、夏の夜の二句を取り上げます。 元句が「遠くの灯火」を見つめ、返歌が「足もとの蛍」を頼りにする——遠い光から、近い光へ。視点がそっと移ることで、静かな夜の景色に、歩き出す体...
続きを読む →忘れても 傘は待ちおり 春の雨
↓ 返歌ワルツの如き 叩く布地よ
忘れた傘が、ワルツを踊り出す — 擬人化の連鎖で雨を聴く
第7回の返歌特集です。今回は、雨の二句を取り上げます。 元句が「傘を擬人化」して読者にそっと差し出し、返歌が「雨音をワルツに変える」ことでその擬人化を引き継ぐ——擬人化のリレーとして読むと、ぐっと深ま...
続きを読む →朝餉かな 白き磁器に 新茶注ぐ
↓ 返歌香の物来て 進む茶漬けよ
新茶、白磁器、そして茶漬け — 朝餉の二句が見せた、美と食欲のあいだ
第6回の返歌特集です。今回は俳句から川柳へ、ジャンルを越境した二句のやりとりを紹介します。 舞台は朝の食卓。同じ日に投稿された二句が、「朝餉の格式」から「茶漬けの食欲」へと、するりと滑っていく。美意識...
続きを読む →さざなみを 寄せて返す 営みを 永久に行き交う この散歩道
↓ 返歌隣の君に そっと肩寄せ
永久から、ぬくもりへ — 三人で繋いだ、ジャンル越境の返歌リレー
第5回の返歌特集です。今回ご紹介するのは、ちょっと珍しい三段返歌リレー。 短歌 → 自由詩 → 俳句と、三人の詠み手が、別々のジャンルで言葉を繋いだやりとり。元句から始まって、返歌が返り、さらにその返...
続きを読む →振り返る 存在感や 百合の花
↓ 返歌されど高嶺と 下向き歩くや
見上げて、下を向く — 視線の上下、返歌で読む三組
第4回の返歌特集です。今回のテーマは「視線の上下」。 句って、案外視線の動きで出来ているんですよね。空を見上げるのか、足元を見るのか。仰ぐのか、俯くのか。元句と返歌のあいだで目線が上下に動くような3組...
続きを読む →遠回り 君と手つなぐ 散歩道
↓ 返歌いつまでか 君と歩ける 散歩道
画面の向こう、心のこちら — スマホ時代の返歌
第3回の返歌特集です。今回のテーマは「画面とわたしたち」。 スマホ、SNS、AI——気がつけば、私たちの暮らしは画面に囲まれています。そんな時代だからこそ、句と句のあいだで交わされる返歌が、画面の“向...
続きを読む →春雨じゃ 濡れて参ろう なんちゃって
↓ 返歌冗談めき 心は雨に 濡れており
返歌でつながる日常 — ふとした瞬間が、もう一つの物語になるとき
第2回の返歌特集です。前回は「返歌で広がる世界」として、一句が二人で深くなる瞬間をお届けしました。 今回のテーマは「日常」。ふだんの何気ない瞬間を詠んだ句に返歌がつくと、思いもよらない物語が生まれる—...
続きを読む →春よ来い マスク外した 顔忘れ
↓ 返歌忘れても 鏡に映る 春の顔
返歌で広がる世界 — 一句が二人で深くなるとき
「詠む」には返歌の機能があります。誰かの句を読んで、心が動いて、自分も詠みたくなる——そんな瞬間から生まれた返歌のやりとりをご紹介します。 返歌って面白いんですよ。元の句が返歌によって全然違う奥行きを...
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