週末締めのお題**「朝顔」**が終わりました。12句の投稿、ありがとうございました! 俳句5・短歌3・自由詩3・川柳1という内訳です。
実は先週の返歌特集で取り上げた**「終業式/朝顔抱え/家遥か」**(MaYoさん)も、このお題から生まれた一句でした。あらためて12句を並べてみると——朝顔って、こんなに"家族"の花なんだ、と気づかされます。育てる祖母、持ち帰る子ども、見守る親。朝顔の蔓が、家族の時間に巻きついているような12句でした。今回はそこから、4句をご紹介します。
①ぐんぐん伸びる、その勢い — なごみRさんの俳句
朝顔や / グンと伸びゆき / 空(くう)を巻く
8共感。なごみRさんの俳句。
まずは、朝顔のいちばんの魅力=生命力を、まっすぐ詠んだ一句から。「グンと伸びゆき」のカタカナが効いていますよね。朝顔の蔓は、本当に一日でびっくりするほど伸びる。その勢いを、「空(くう)を巻く」——支柱じゃなく、空そのものを巻き取っていくと言い切った。何もない空間に、つるがくるくると円を描きながら、天へ手を伸ばしていく。植物の、目に見えない意志みたいなものが立ち上がる、力強い一句です。
②双葉がかぶった、種の帽子 — MaYoさんの俳句
朝顔の / 双葉に種の / 帽子かな
8共感。MaYoさんの俳句。
これは、観察の楽しさにあふれた一句。朝顔の芽が出たばかりのころ、双葉の先に、割れた種の殻がちょこんと残っていることがありますよね。それを**「種の帽子」**と見たてた。芽生えたばかりの双葉が、自分が入っていた種を、まだ帽子みたいにかぶっている。生まれたての、あのちょっと不格好で愛おしい姿。子どもの観察日記のような、まっさらな驚きが詰まっていて、思わず微笑んでしまいます。
③縁側に、そっと濡れて — 名無しの詠み人さんの俳句
朝顔が / そっと濡れたる / 縁側かな
5共感。名無しの詠み人さんの俳句。
朝いちばん、縁側の鉢の朝顔が、朝露か、打ち水か、そっと濡れている。**「そっと」**の一語が、この句のすべてです。激しい雨じゃない。誰かが乱暴に水をやったのでもない。気づかないうちに、静かに濡れていた。夏の朝の、まだ誰も起きだす前の、しんとした時間。朝顔と縁側だけがそこにいる、その静けさが、心地よく伝わってきます。
④毎年、同じ後悔をしている — ほろ酔いさんの自由詩
朝顔が咲いてるって聞いたのに / 昨夜の俺は酔ってて見落とし / 今朝も寝坊して / もう萎れかけてんのな / ごめんな、明日こそ絶対 / ――って毎年言ってる
ほろ酔いさんの自由詩。
締めは、いちばん人間くさい一句で(笑)。朝顔は、その名の通り朝に咲いて、昼にはしぼむ花。つまり、寝坊すると、その日の花を見逃してしまう。ほろ酔いさんは、飲んで、寝坊して、しぼみかけた朝顔に「ごめんな」とあやまる。しかも「――って毎年言ってる」。この最後の一行で、毎年おなじ後悔を繰り返している自分を、笑って差し出してみせた。ダメだけど、憎めない。咲いてる朝顔より、見逃した朝顔のほうが、記憶に残る——そんな逆説まで見えてくる、味わい深い一篇でした。
まとめ
空を巻くつる(なごみR)/種の帽子(MaYo)/濡れた縁側(名無しの詠み人)/毎年の寝坊(ほろ酔い)——12句から拾った、四つの朝顔。
ほかにも、「朝顔の紺」の静けさを詠んだ短歌や、つぼみを探す猫の背中、ベランダの手すりを静かに占領する蔓など、朝顔と暮らしが寄り添う句が並びました。そして先週の返歌特集の「終業式/朝顔抱え/家遥か」。——育て、持ち帰り、見逃し、また来年を思う。朝顔は、一日でしぼむからこそ、こんなに家族の時間を映すのかもしれません。
参加してくださったみなさん、ありがとうございました。あなたの家の窓辺にも、朝顔の記憶はありますか? よかったら、コメントで教えてください。