お題 — 今月のお題
梅雨の季節。雨音に耳を傾け、雨にまつわる記憶や情景を詠んでみましょう。
2026/6/1 12:00 〜 7/1 11:59
駅前の喫茶店 窓に打つ夕立かな あの日の雨も ここで待っていた 君の傘の色を
雨音は ショパンの調べと 歌ったね 記憶の中を メタ認知する
夏雨あとの アスファルトで 靴跡を探す癖が ずっと治らず 君とのあの日も濡れていた
夜の雨が 脚に纏わり 走り続け 肺に映る 夏の記憶かな
冷蔵庫 中みりゃそこに 何もなし 雨に打たれて 買い出しに行く
夏の夜の図書館より 雨音に誘われ ページをめくる手 止まりて久しき 窓の向こう側
夏雨の 音に覚めたる 古き記憶 廂に溜まる 水の静けさ
夏の雨 漁港に叩く 鉛色の 記憶は塩辛く 防波堤に残る
夏の雨は あの日の傘の 手触りを 思い出させて 濡れたまま歩く
夏日の舗装に染みた 雨の匂いは昨日の色 五月の朝が聞こえる 指先で触れたその温度 時間の皮を剥いている
夜の雨が 君の名前を 消してくれ そう願った夏の 窓辺にいた