お題 — 今週のお題
夜空に咲く大輪の花。歓声、浴衣、線香花火の最後の一滴——花火にまつわる夏の記憶を詠んでください。
2026/7/26 12:00 〜 8/2 11:59
手花火の 匂い残りて 波の音
打ち上がる 妻のスマホは 上向かず
花火終え 月は相変わず 冷たくて
対岸の 花火小さく 音もなく
初浴衣 車に乗れず 振り返る
夜明け前、図書館の返却期限が 花火のように迫ってくる 積み上げた本の背に映る遠い火
夏昼の図書館抜け出し 花火の夜へと本しおり挟む 友を待つ間も ページ繰る指が止まらず 夜空へ視線溶ける
スマホを掲げた千人が 同じ花火を違う角度で撮影し 誰も空を見ていない夏の夜
夕涼み君の横顔探してて 花火の音に我に返りぬ 手と手の距離 言葉にならぬ夏の夜
夜明け前 花火の余韻 消えぬまま
スマホ向け 花火より映え 気になるか
花火の夜 ズーム会議を抜けて ベランダへ 遠い夜空の淡い光 コーヒーがぬるむまで
夜明け前の 闇に花火の 残像が 音なき色で 耳を染めてゆく
子どもらの はしゃぎ声より 親の笑顔
夜空裂く 火の菊咲きて 消えゆかな
浴びるごと 花火身に降り 座す二人
焼き鳥に 心奪われ 期を逃す